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ユウ君の銀河宇宙
TO さん
 
今回は、とっても楽しい体験をしました.
主人公は”ユウ”という名の男の子です.

*6歳*
 僕は今、別の星に来ている.
周りには砂と土しかない.僕はおじさんの部屋からこうしていろいろなところに行く.そして見てきたものをおじさんに話すんだ.
僕が3歳の頃、家の中で不思議なことを体験してから、僕の母さんがおじさんの所へ連れて来るようになったんだ.おじさんは恰幅がよくてとってもやさしいよ.
父さんが外国で仕事をしていたから、僕にはこのおじさんがお父さんみたいだった.
それに僕は少し変わっていたから、友達もあんまりいなかったんだ.おじさんは僕とたくさん遊んでくれた.だから大好きさ.

 (先生に「今まで行ったところで一番好きだった場所を教えて」と尋ねられたので)
僕は宇宙船に乗ったんだ.そこには人間のような生き物もいたけど、血は緑色なの.ロボットもいたよ.僕はそこで一人乗りの飛行機に乗せてもらって、操縦したんだよ.みんな僕を可愛がってくれたよ.「またおいで」って言ってたと思う.

 
(先生に「一番嫌いだった場所を教えて」と尋ねられたので)
僕はヘドロのようなくさくて汚くて、黒っぽいどろどろした物質を思いだしたよ.村や街がその物質に全部飲み込まれてしまったんだ.
僕はとても苦しかったから、おじさんの部屋にすぐに戻ったんだ.
おじさんは僕のおでこの汗を手で拭いてくれたよ.

*17歳*
 僕は大学の講堂でレポートを発表している.聴講者は立ち見も出るほど大勢いて、先生も生徒も僕の発表を珍しそうに聞いている.
僕は大学に入学して、宇宙について科学的に勉強したんだ.子供の頃の体験についても研究したよ.だけど研究すればするほど科学ではたどりつけないところがあったんだ.
だから哲学や心理学も勉強したよ.心理学の助教授が、僕の大好きなおじさんの息子さんだったから、僕のことをとてもよく理解してくれたよ.
発表したレポートの内容は、僕にとっては子供の頃の体験に関することだから、何てことないことだけど、遠い宇宙に関する話は、みんなの関心をひいたようだね.

*25歳*
 天体観測所で働いている.大きな望遠鏡をのぞいている.
宇宙から送られてくるデータを分析するのが僕たちの仕事.
ここには常時7、8人のスタッフがいて、24時間、交替しながらデータの分析をするんだ.
みんなとはとても気が合うよ.年齢はさまざまだし専門分野も違うけど、僕と同じように宇宙に行ったことがある人ばかりさ.
だから大きな声では言えないけれど、仕事よりも宇宙の話に夢中になってしまうこともあるよ.
観測所の近くで、年に3、4回小さなパーティを開くんだ.30人くらい集まるよ.夜になるとバーベキューをしたり、演奏をしたりするんだ.満天の星の下で聴く楽器の音色は、ここが地球であることを忘れてしまうような不思議な感覚に僕をさせるよ.サイコ−にすばらしいんだ.
みんなここに来るのを、とても楽しみにしているんだって.
心を解放してインスピレーションを取り入れることができるんだって.

*33歳*
 観測所の中で、異常データが続いているので慌てている.みんな緊迫した表情だ.
所長が別の観測所に連絡をしたり、研究所にデータを送っている.
ロケットで原因を探してもらうが見つからない.
私はおじさんの家へ急いで行き、子供の頃に訪れた宇宙船に向かった.
宇宙船でも異常データを観測していた.しかし既に対策もできているとのことだった.
「地球には影響がないから、地球に戻って穏やかに、いつもと変わりなく暮らせばいい」と彼らは言う.
異常データについては「”未確認の生命体からのメッセージ”などと話せばいい」と言う.「むしろそれの方が夢のある話になるだろう」と.
私はそのメッセージを関係者に伝えた.地球上では何も起こらなかった.
そしてその時から、私の経験を物語として書き始めた.おじさんにそうするように勧められたからだ.

*60歳*
 一冊の本を書き上げる.本のタイトルは”PLANET VISION”.
仲間との共著だ.この本は、友人や研究室に贈呈した.
同じ頃、私はパーティを手伝いにきてくれていた女性と結婚した.
そして彼女と仲間とともに、観測所の近くに小さな宿を作った.
宇宙に関する本を揃えたりしたが、観測所と違う点は、精神性を重視したことだ.
本に書いたような宇宙体験を話したりして、来訪者をもてなした.
何度も訪れる人もいて、喜んでもらっていたようだ.

*72歳*
 空から塊のようなものが落ちてきて、観測所が崩れ、私は建物の下敷きになった.
先生から人生が終わっていることを告げられて、ユウは少し肩を落としていた.

 宇宙の彼方から彼は話す.
「今こうして銀河を眺めて、こんなにもたくさん見つけるものがあるとは思わなかった.
私ひとりではとうてい見つけられないし、私はたった二つの方法でしか探してこなかった.
みんなで探せばいいし、いろいろな方法を試せばよかった.そうすれば 観測所も崩れずにすんだのかもしれないね.
いろいろな方法の一つには、例えばパーティの夜に奏でられた音楽の響き.あれは宇宙にこだまするようだった」

 私は、ユウをとても好きになりました.
振り返ればユウだけでなく、今まで出会えた前世は、心から尊敬してしまう素敵な人ばかりでした.
それで気がついたんです.今までの前世体験を通して、私に送られたメッセージが「自分を好きになって.」だということを.
私は、他に好きなものは沢山あるのに、私を好きになったことなどありませんでした.
”好き”という気持ちを、私に向けたことなどありませんでした.
自分に謝罪したい気持ちで、涙がこぼれそうです.

 先生、こんな大切な気づきを教えてくださって、本当にありがとうございます.


自分を知れば知るほど大好きになっていく TOさん。
彼女の周りにどんどん愛が広がって、世界が愛で満たされますように。